多くの方が罹患している歯周病。その歯周病と全身疾患との関係について今日はご説明します。
現在日本人に多い死亡原因として、がん、心筋梗塞(虚血性心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)に次いで、肺炎・気管支炎となっていますが
その死亡原因の第3位(人口動態統計調査)の肺炎の中でも「誤嚥性肺炎」は歯周病との関係が深いことが知られています。
今回は、歯周病と誤嚥性肺炎の関係についてご紹介します。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、食べ物や飲み物、だ液などが誤って気管や気管支内に入ることで、肺に細菌が慢性的に流れ込み生じる肺炎です。食事中だけではなく、就寝中にもだ液が気管に入り込むため自覚症状がない方も多かったり、高齢者の方では気づかないうちに唾液や胃液などが肺に入る不顕性誤嚥が多いとも言われます。また本人も気づかない就寝中に誤嚥し誤嚥性肺炎をを起こしてしまうこともあります。
高齢者で認知症が、誤嚥は起こりやすくなるのは咳反射は弱くなり、誤嚥した物を吐き出すことができなくなるのも要因です。
肺や気管は、咳をすることで異物を吐き出したり異物が入らないように守ることができます。しかし高齢になると咳反射は弱くなり、誤嚥した物をうまく吐き出すことができなります。これらの機能が衰えてしまうと、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。そのため免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。
この誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。
誤嚥性肺炎の発症を防ぐには、歯磨きなどによる口腔ケアで肺炎の原因菌や歯周病菌を減らし、お口の中を清潔に保つことが基本で重要となります。
口腔ケアの基本は、歯ブラシ、歯間ブラシ、舌の専用ブラシなどを用いて、細菌を取り除くことです。
また入れ歯も不衛生な状態で装着し続けると同じ事がおこる一因となるため、細菌が繁殖を防ぎ、清潔な状態で義歯を装着できるようにこまめに洗浄することも大切です。
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