歯周外科治療(歯周組織再生療法)症例

前回からの続きです。

歯周組織再生療法の中でも術式や使用する材料により様々なバリエーションがあります。

今回はGBR法という方法で骨の再生を図った症例のご紹介します。

歯周組織再生療法は、歯周病により失われた歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を再生させる目的で行われます。

フラップ手術でポケット内をきれいにした後に、骨の欠損部に人工膜である「メンブレン」をいれておくことで歯茎の侵入を防ぎ人工骨などを用いながら、その結果その空間に骨を始めとする歯周組織の再生を促す方法です。

GBR手術

【主訴】歯がグラグラしてきた。

【治療】歯周基本治療+歯周外科治療(GTR法)

【副作用・リスク】術後に知覚過敏症状が現れることがあります。術後歯ぐきの引き締まりによる歯肉退縮が現れることがあります。術後に痛みや腫れ、出血を認める場合があります。

歯周組織再生療法のレントゲン画像

このように条件にうまく合えば、歯周組織再生療法により骨が再生されています。

歯を支える骨がなくなりグラグラしていた歯も、現在で術後3年となりますが動揺がなくなり安定した状態で推移しています。歯周病は重度まで進行するとこのような方法を行うこともできなくなりますので、歯周病も虫歯も早期発見、早期治療が大切であると思います。

歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)と呼ばれ、ある程度進行するまで何も症状が現れません。自分は大丈夫と思っていても実際には歯を支える骨がなくなり、歯茎の中では歯周病が進行していることもありますので、定期的に歯科医院でチェックをうけられることをお勧めしています。

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